おもしろそうなヴィーガン本のご紹介。その名も『ヴィーガンとノンヴィーガンのためのコミュニケーションガイドブック』(青土社)。
昨年の投稿でかなりの反響をいただいた『私たちはなぜ犬を愛し、豚を食べ、牛を身にまとうのか: カーニズムとは何か』の著者メラニー・ジョイさんの新作です。
「ヴィーガン離婚」を経て、「非ヴィーガン男性との再婚」を経験した女性の切実な前書きからはじまり、前作同様、肉食をめぐる「人間の心理」に著者がどんどん切り込んでいく。
最初の数ページから「ドッキリ」な場面描写(家族のご馳走の集まりでひとりだけヴィーガンで孤立→周囲から軽口をたたかれる)。ヴィーガンの方はきっとみなさん、多かれ少なかれ身に覚えがあるのでは。思わず目釘付けだと思いますよ~。
パッと見は、文字も多くて、取っつきにくそうに見える本なのですが、ひとたび読み始めると、「心理」視点だからか、どんどん引き込まれてしまう。著者の語り口もいいし、玉木麻子さんの翻訳も見事だと感じます(ご自身ヴィーガンで、この情報を広めようとされているパッションが伝わってきます)。
「肉食文化でいかに持続性をもって生き、周りの人と関わるか」「対立を解消するための原理とツール」「会話を成功に導く実践スキル」「違いを理解し橋渡しとなる」etc.
ヴィーガン後進国&同調圧力の強い日本だからこそ、もしかしたら、欧米以上にこの問題で悩んでいるヴィーガンの方々も多いかもしれないし、もっと言えば、ヴィーガンに限らず、オーガニックでも、脱プラでも、原発でも、気候危機でも、かなり広範な環境問題にかかわる問題ですよね。
すごく重要なテーマの本だと思います!!
・・・ということで、まだ読みはじめたばかりなのですが、取るものもとりあえずのご紹介でした(「しっかり読み終えて感想を書いてから…」と思ってそのまま1年くらい過ぎてしまうパターンが続いているので…)。
ちなみに編集は訳書『ギフトエコノミーー買わない暮らしのつくり方』でお世話になった福島舞さんと篠原一平さんです。重要な本を世に送り出してくださることがありがたい。そして、青土社の本、カラフルで品のある装丁がいつもいいなと感じてます。ご献本ありがとうございます。