たのしみにしていた本が出ました!(※2022年8月8日記) そして、これが予想していた以上におもしろい! 青森県で、10万円で建てた家に住み、電気もガスも水道も引かず、何やらめっぽうたのしそうに小さな男の子を育てている自給自足夫婦、田村余一さんと田村ゆにさんの本『都会を出て田舎で0円生活はじめました』。
昨年くらいからいろいろバラエティ番組に「 #節約家族 」として取り上げられているご家族なので、ご存じの方もいらっしゃると思います(←僕も田村夫妻見たさに、久方ぶりにtverでバラエティ番組というものを観ましたよ)。
僕はもともと、ゆにさんのインスタグラムがおもしろくて、一昨年くらいからずっと気になる存在でした。
なぜって、まず、うちが早々に挫折したような、超本気のエコ生活を余裕でクリアしている家族であること(←すごいんですよ、本当に…)。そして、そういう超絶エコ家族はたぶん全国にいっぱいいると思うのですが、言葉に力があって、正直で、視点もいつも一歩も二歩も踏み込んでいて、投稿がおもしろいからです。実用的な話題も「へぇ~」と思うことばかりだし…(かなりの上級で真似できないことも多いけど、知るだけでおもしろい)。。何というか、啓発力のある方なんですよね。
・・・なので、「ゆにさんの本、それはたのしみだ」と思っていたら!
何と、ほとんどは夫の余一さんの執筆。そして、テレビでは寡黙な印象だった余一さん、文章がうまい! 独特の味があって、最初から笑ってしまってページをめくる手が止まらないんですけど。。。しかもイラストも余一さん。「イラストも自給自足」という奥付の文字、かっこよすぎです。ほんと、この家族、レベル高っ!
田村家のおもしろさ、満喫させていただきました。トイレットペーパーの代わりにキウイの葉っぱとか、もう本当、最高です。いろんな葉っぱを比べて、キウイが一番なのだそうです。ちょっとなかなかやるのは勇気がいりますが・・・でも、一度はやってみたい。だって、できたら世界が変わりますよね、確実に。
田村家の生活はそんなおもしろさをいっぱい教えてくれます。トライするのももちろんあり(できる人はきっとすごくたのしいと思う!)。でも、トライできない人も、知るだけで世界が変わります。ふつうに暮らしていたら一生気づけずに終わりそうなことを、田村家の経験からどんどん教えてもらえるわけです。
すごいエコ家族の話って、「すごいな~」と思う反面、時に変な罪悪感(=自分はこんなことできない…)を呼ぶこともあるようです。でも、田村家の場合はそういう心配は無用! だって、レベル高すぎて、同じようにできない罪悪感とか絶対浮かびませんから!(←保証します!)
そして何よりも、田村夫妻がワクワクたのしんで、自分のために、幸せのために、お金にしばられない暮らしのために取り組んでいるという普遍的なエッセンスがまっすぐ響いてくるからだと思います。そこに感じられるのは、人ととしての<ごくふつうの欲求>。凝り固まらない広がりもお持ちの家族です(最終章、すばらしかった!)。だから僕は、田村夫妻に<近寄りがたい壁>ではなく、<だれにとっても大事なものを心の赴くままに追い求めている>という親近感を覚えて、この家族から目が離せないのだと思います。
笑って、めくって、「人って(現代でさえ!)こんな風に生きられるのか!」と、生きるということの忘れていた手ざわりが立ち上ってくる。パワフルで明るい1冊です。