ついに行ってきました! 船に乗っての、海洋プラごみの実態視察。
本当に行けてよかったです。底引き網漁船に(ほんの短時間ですが)同乗させていただき、引き揚げた網にどんなごみが引っかかってくるのか。そして、船でしか行けないアクセス困難地域の海岸にどのくらいごみが打ち上げられているのか。
ネットの写真ではもちろん見てたけど、実際にこの目で体感できるって、やっぱり大きいです。
アクセス困難地域のプラごみ汚染は想像以上に激しかったです。パッと見はきれいなのに・・・
いざ足元を見ると、すごいごみ!
今回は50人くらいでビーチクリーンをしましたが、1時間足らずでとんでもない量を回収しました。
こんなに多いのに、地元の方いわく、「あれ~、これはずいぶん少ない。いつもは10倍くらいあるところもあるのに、ここはほとんどないね~」って! これが「少ない」って、衝撃です!
今回のアクセス困難地域は、とりわけ「ホットスポット」という感じでもないらしく、単に「人が行きにくいため、ごみが放置されがちになり、汚染がたまる」のだそうです。つまり、ほかの海岸ではやっぱりビーチクリーンなどの成果が出ているわけですね。というか、ほかの海岸もつまりは同じようにごみが流れ着いている、ということですよね。。。
底引き網漁船も本当に貴重な体験でした。1時間くらいの沖合で網を引き揚げるのですが・・・
↓このように網を引き揚げてみると、その中身はとんどヒトデと小型のウニばかり!!
魚なんてほとんど引っかからないのがまずビックリ!(網をたらすときれいな魚がどんどんピチピチ獲れるのかと思ってました~~💦) そして、トングでかき分けると、ペットボトルや、プラ製の漁具や、雑多なプラごみがいろいろ出てくる…
もちろん魚も出てくるのですが、いわゆる魚屋さんで売れるような立派な魚はほんの数匹程度で、あとは雑魚や稚魚ばかり。←「混獲」の問題です! 売り物になる魚を獲るために、相当量の「売れない魚」が犠牲になり、海の生態を脅かしている問題。
漁具のごみにも考えさせられました。発泡スチロールのフロート(大型の浮きみたいなもの)などがそこら中で使われていて、どんどんすり減っています。そのかけらが、底引き網の中にも、海岸にもたくさん落ちていました。ほかのタイプのプラ製漁具もいろいろ。
・・・これが漁業の実態なんですよね。もちろん改善されてほしいけど、漁師の方々も苦しい立場。消費者の需要に応えて、できるだけ獲ろうとする結果が、これなんですよね。漁業組合だけの責任に押し付けることはできない、消費者サイドも呑気に「魚おいしい~」なんて言っていないで、もっと気づくべき問題です。
今回の視察がすばらしかったのは、「日本代表」「五輪代表」みたいなトップアスリートの方々が何人も視察に参加されたこと。アスリートによる社会課題への取り組みを後押しする、日本財団の「HEROs」(ヒーローズ)というプログラムの一環なのです。すばらしいプログラム!
現場視察のあとは、昼食を挟み、漁師さんや子どもたちも一緒に、プラごみについて学ぶカードゲーム。これが(僕はオブザーバーだったのですが)とてもよさそうでした!「Change for the Blue」という、日本財団さんとプロジェクトデザインさんの共同開発によるゲーム。なかなかよく練られていて、みなさん大きな気づきと学びになった様子でした。
スポーツ選手というのはやっぱりみんなの憧れの的。みなさん真剣勝負で、プラ汚染どころではないかと思いきや、やはり、海外転戦などで問題意識を持たれたり、マリンスポーツの方々などは如実に汚染を実感されていたり、「もっとアクションを起こしたい」という思いを抱いている方がいるんですよね(実際に社団法人など立ち上げている方も)。
スポーツに無縁だった僕にとっても、すばらしい出会いの場となりました。パラ五輪代表の方々も数人いらっしゃって、「さすが」と思ったり(通常以上に、社会課題への視点をお持ちなのだろうなぁと)。
こういう視察によって、かっこいいアスリートの方々による環境問題の発信が増えたら、社会にとっては本当にすばらしいこと。期待してしまいます。
同時に、こんな貴重な学びの機会、もっと多くの人にも体験してほしい。「旅行パッケージ」・・・として売り出してもあんまり売れないかもしれないけど、、、でも、たとえば修学旅行に組み込んだらどうだろう?? 原爆資料館ももちろん外せないと思うけど、そしてユニバーサルスタジオだっていいんだけど、でも、3日のうちの半日をこういう海ごみ視察に割けたらどんなにいいだろう?? 思い出としても上々だと思うんだけどな…。今回の視察のコンテンツをつくってくださった日本財団海洋事業部さん、いかがでしょうか~~?? もしつくってくださったら、僕、教職員組合などでお話しさせていただく際に微力ながら熱烈宣伝したいです。