庭の菜の花、取り放題の冬。野菜が足りなくなると庭に摘みに行き、パスタにしたり、胡麻和えにしたり、リゾットにしたり、恵方巻に入れたり、ありとあらゆる料理に早変わり。家計大いに助かってます。
見かけもきれい。寒々しい冬の庭に青々と繁り、命のしるしのような黄色い花を咲かせてくれる様には小さく感動してしまう。頭の中は、ロシア童話『森は生きている』でマツユキ草を見つけた継娘の気分です。実際、花束にして生けたりもします。
そして、簡単に育つのも美点。こぼれ種からも生えてくるし、何の世話も必要なし。小松菜やほうれん草よりもよほど自然に、元気にワサワサ育ちます。「ちゃんとした野菜をがんばって育てなくても、これで十分じゃん」と思ってしまうくらい(とは言え、同じものばかり食べていると飽きるので、やっぱり小松菜もブロッコリーも食べたいんですけどね…)。
惜しむらくは、子どもたちが好まないこと。こんなにやわらかくておいしいのに、「苦い」とか言っちゃって…(←全然苦くなくて本当においしいんですよ)。だから、こんなに豊作だというのに、それを十全に生かすほどには食卓に乗せられていないけれど、人の好みは変えられないので仕方ありません。かくして、大好きな菜の花パスタは、子どもが学校に行っている平日の優雅なランチタイム限定メニューとなっています。
麻子さんの連載「あるものでごはん」で、わが家の菜の花パスタ、ご紹介しています。にんにくもベーコンも入れないシンプルの極致。入れる良さもあるけれど、入れない良さもあります。写真はいつもおなじみ @kettle_photo さんです。
※2023年2月記