エコできれいで経済的 ~ 両刃カミソリのシェービング

カミソリ。中学生で初めて手にして以来、まさか「使い捨てカミソリ以外のもの」がこの世に存在するなんて思いもせずに人生を歩んできました(だって、ドラッグストアの売り場にもカートリッジ式の使い捨てカミソリしか置いていないではないですか!)。

わりにケチな性分の自分。カートリッジって意外に値段が高いので、いつもドラッグストアで購入を逡巡。交換時期を伸ばそうと、切れ味の低下したものを往生際悪く使い続けたり、使っているうちにカートリッジの部分がべたついてきて不快だったり…(←結構ストレスを感じやすい性質でもあります)。

それが一変したのは数年前。『ゼロ・ウェイスト・ホーム』で、オールステンレスの「両刃カミソリ」の存在を知り、即ネット購入しました。使い心地抜群。一切不都合なし。ごみ完全ゼロ。見た目も美しく、しかも経済的。湧きあがるのは「もっと早く出会いたかった」という思いばかりです。


▶両刃カミソリの使い方

「両刃カミソリ」とは、いわゆる「クラシックな金属製のカミソリ」のこと。数十年前までは普通に使われていたはずの「昔ながらのカミソリ」です。構造は上の写真のとおり。中に普通のカミソリの刃が入っています。ミューレやメルクールなど老舗ブランドのものがアマゾンや楽天でふつうに5千円前後で購入できます。↓たとえばこんなタイプ。

「昔ながらのカミソリ」なんて言うと、「血だらけになるのでは!?」と不安に思う方もいるかもしれません(かく言う自分も最初の1回はビクビクでした)。でも、まったくご心配には及びません。両刃カミソリは、別名「安全カミソリ」(=safety razor)とも呼ばれるくらいですので、みなさんおなじみの使い捨てカミソリと使い心地はほとんど変わりません。多少注意深く剃れば、男性も女性も安心して使えます(わが家は妻も愛用しています)。

シェービングクリームは、ふつうの手洗い石鹸で代用できます。ナチュラルでゼロウェイスト、余計な買い物も減るので、言うことなしです。上質な石鹸を使えば、えも言われぬよい香りがただよい、シェービングの時間がぜいたくな時間に早変わり。市販のシェービングクリームやシェービングジェルの人工的な化学臭とは雲泥の差です。十代の頃はあんな香料くさい臭いに惹かれたものですが、もう自分もいい歳ですので…。しかも市販品にはフタル酸エステルなどの有害と言われる化学物質がいろいろ含まれています。石鹸なら、その点も安心感100%です。

お湯で肌を温め、石鹸を手で塗り付けたら(※天然素材の上質なシェービングブラシを使えばさらに心地よさそうですが、今のところは省略)、あとは丁寧に少しずつ剃っていくだけ。種もしかけもありません。使い捨てカミソリよりも遥かにうつくしく剃れます。使用後は水洗いし、分解して、刃の水分を拭き取っておくと(手を切らないように注意!)、刃が長持ちします。


▶まだまだ続く両刃カミソリのメリット

使いやすく、うつくしい両刃カミソリ。オールステンレス製で頑丈なので、落としても、踏んでも、蹴っても、投げても、一生壊れる心配なし。万が一処分する場合も、きちんと金属リサイクルできます。

しかも ― このメリットをみなさんに強調したいのですが ― 替え刃が壮絶に安いのです。僕のお気に入りのAstraの替え刃など、1枚わずか15円! いつも大体2か月に1度くらい刃を交換していますので、100枚セットで買っておけば(=1500円の安い買い物)、15年くらい持つ計算です。「カートリッジの買い忘れ」に悩まされていた過去が笑い話のよう。本体の値段が少し高い分など、すぐに回収できてしまいます。

カミソリの替え刃は場所を取らないので、保管場所にも困りません。ただ、ブランドによっては、プラスチックの頑丈なケース入りのものも多いので、ゼロウェイスト&プラスチックフリーを目指す場合は注意が必要です。自分もそこに悩んだ結果、ゼロウェイストの本家本元ベア・ジョンソン御用達のAstraにしたら、シンプルな紙箱入りで問題が解決しました。

使用済みの刃は、カートリッジ式の刃と同様、「危険ごみ」となります。ごみ収集員の方がケガをしないよう、厚紙などでくるんで処分してください。が、ここでもうひとつのメリットが! カミソリの刃は場所を取らないので、↓こんな風にいつまででも保管しておけるのです。

これなら、処分の手間も「数年に一度」で済みますし、くるむ紙も少なくて済む ―― ということで、両刃カミソリはつくづくどこを取っても全方位メリットづくしだと実感します。


▶飛行機に乗るときは?

国際線に乗る際は、刃は機内に持ち込めないので、手荷物に入れないように注意!(ただ、もし忘れても、刃の部分を没収されるだけなので、最小限のダメージで済みますね。) 国内線の場合は、自分は問題なく機内持ち込みで搭乗できています(ANAのカウンターで大きさを測ってもらったら、規定内ということでOKでした)が、一応各航空会社に確認してみてください。

安くてきれいで経済的、一度買えば「一生ラクラクゼロウェイスト&プラフリー」の両刃カミソリ。世の中、どれほどたくさんの使い捨てカミソリが最終処分場や焼却炉に投げ込まれていることかと思えば思うほど、両刃カミソリを全人類におすすめしたい気持ちは強まる一方です。