リジェネラティブ農業<br>=環境再生型農業<br>いよいよ日本のメディアにも

昨年いちばんビックリしたことのひとつが、「リジェネラティブ農業」(=環境再生型農業)との出会いです。少しずつサステナブル系のメディアでも目にする機会が増えてきた言葉ですが、これが目からウロコですごいんです。農業というものが、畑というものが、野菜というものが、「これほどダイナミックなものだったのか!」「これほど環境問題と直結しているのか!」と、目の前の風景がまるで違って見えてきました。

農業に関してはこれまで完璧に無知で、「無農薬か慣行栽培か」「化学肥料か有機肥料か無肥料か」くらいの区分しか思い描けていなかったのですが、いやいやいや、農業ってのはそんなもんじゃなかった…(本を1冊読んだくらいでわかったようなこと言ってすみませんが、これ本心)。

このリジェネラティブ農業の翻訳本、NHK出版さんから声をかけていただき、5月くらいの刊行に向けて絶賛準備中です(すごく刺激的な本なのでおたのしみに!〜アメリカでもかなり評判になっているらしく、米アマゾンのレビュー既に1000件超えの”注目本”です。↓日本でも英語版買えます)。

生態系の豊かさがいかに「人の手を借りなくても」肥沃な土をつくるのか。それを驚くほど明快なメソッドによって、現実的な農法に落とし込もうとしているのがリジェネラティブ農業。日本の自然栽培の流れとも重なりますが、アメリカの大規模農場で(つまり日本のようにこまやかに手間暇かけずに)実践されていて、理詰めで合理的にいこうとする感じは、またずいぶん雰囲気が違っておもしろいなあと感じます。

そして、この農法、今「気候変動対策のひとつ=カーボンファーミング」としても大いに注目されています。作物が吸収する空気中の二酸化炭素が土に貯留されることで、土がより肥沃になり、作物がよく育つようになる。それを温室効果ガスの削減にも生かせるというわけです。

僕はこれを知って、雑草を根こそぎ抜いてしまって地肌の見えるうちの庭を見回し、「大変だ!! こんな状態じゃ全然ダメだった!!」となりました。野菜を育てるためだけでなく、「この庭を地球の一部として、生かし、土を豊かに育み、愛していかないと!」という気分になりました(=昨年は敢えなく撃沈。再チャレンジを期す今年)。そんな目で庭を見たこともなかったので、ちょっと生まれ変わったような新鮮な気持ち。これは多くの方に知っていただきたい!

今、一生懸命クローバーを植えて、「環境再生」を図っているところです
(虫食いキャベツ、何とか食べられるところまで育つか!?)

そのリジェネラティブ農業が、今週末、NHKワールドの番組で特集されます。本の著者のゲイブ・ブラウンさんも取材されているそうで、すごくたのしみです。本も紹介いただけるようです(まだ日本語タイトルも決まってないけど)。菌ちゃんふぁーむの吉田俊道さんも登場されるそうですよ! 地上波ではなく、無料でネットで観られますので、ぜひ! 農家さんや家庭菜園をされている方々はもちろんのこと、野菜を食べているすべての方に知っていただきたい内容です(と言いつつ、番組はまだ観ていませんが…)。

放映時間は、
・2/19(土)10:10-10:59 / 16:10-16:59 / 22:10-22:59 /(翌未明)04:10-04:59
・2/20(日)以降は、NHKワールドのオンデマンドページからいつでも視聴できるそうです(※ページは2/20になるまで表示されません)。

こぼれ種から勝手に生えてきた菜の花がますます愛おしくなりました。