エシカル&フェアトレードの服<BR>京都のシサム工房で服を買う

プラスチックフリーよりもゼロウェイストよりも、「何よりもエシカルを意識したい」と思うのが、服。今回、はじめて、京都のフェアトレードショップ「シサム工房」さんから服をお買い物しました。

服は、途上国の労働搾取の問題があまりに心に痛くて、とにかくなるべく一般的なブランドの服の”安易な消費”は慎みたいと思い続けて数年。加えて農薬や染料による環境汚染や健康被害の問題もあるし、ファストファッションの大量生産大量消費の問題もあるし、合成繊維のマイクロプラ問題もあるしと、問題山積み。

服の問題について気づかされたドキュメンタリー映画『ザ・トゥルー・コスト』。観ていない方は必見! ネット配信は現在されていないようなので、近所での上映会を待つか、アマゾン楽天でDVDを買う形となります。

2013年、バングラデシュの首都ダッカでの「ラナ・プラザ崩壊事故」はあまりに痛ましい出来事でした。劣悪な環境で服作りをさせられていた貧しい女性たち。作られていたのは、プラダ、ヴェルサーチ、ベネトン、グッチなどの名だたるブランドの服(詳しくはこちら)。「いつもの服」の裏側にまさかこんな現実があるなんて、僕自身、衝撃は大きかったです。

とは言え、「エシカルな服」なんてまだまだ少数派。普通に生活していると、「これじゃ買える服がない!」もしくは「値段が高すぎる!」という状況に陥りがちなわけですが、シサム工房さんの服は(もちろん安い服に比べれば高価ですけれど)かなりお手頃で、品質がよくて(オーガニックコットン本当にフンワリ!&袖ぐりのリラックス感など着心地も抜群)、初回にして大いに幸福な買い物となりました。

同封のパンフレットも、いたずらに消費を煽るような色は皆無で、隅々まで気持ちのよい買い物です。ふだん「買える服」が少なすぎて、手持ちの服がすり減ってきてもまだ買えずにいるので、今回思わず”即リピート買い”してしまいました。

ここ数年、いくつかエシカル系のブランドを試してきましたが、個人的にはシサム工房さんの服がいちばんしっくりくるな~と感じます。昨年は世界的に人気のEverlane(エバーレーン)の服も買ったのですが(公式サイトはこちら。日本では楽天などで購入可能)、もちろん、よいはよいのですが、値段が「これ本当にエシカル??」という安さで(安いのはもちろんありがたいことではあるのですが…)、品質もビミョーにすぐヘタってくる(?)感があって、「ほかに選択肢が少ない中ではありがたく買うけど、何となくファストファッション臭がするような…」と感じていたところだったので、シサム工房さんの服の品質には大いに安心感を覚えました。

意識的なお店ですから、ちゃんと梱包も「フツーにプラスチックフリー」。ありがたい…。

シサム工房さんはフェアトレードショップの草分け的存在。もう京都に20年以上も前からお店を構えられています。それなのに、僕は京都に1年半も住んでいたにも関わらず、その時はついぞ一度も足を運ぶことなし。我ながら「時間がかかったな…」と痛感します。せっかく選択肢を用意してくれているお店をもっともっと利用させてもらわなきゃと改めて思いました。

公式サイトからのお買い物がいちばんおすすめですが、楽天アマゾンで気軽に購入することもできます。

翻って、目を疑ったのが昨日の高知新聞の朝刊(2022年6月7日付)。何と、「大人カジュアル入門」と題して、「ファッションプロデューサー」なる専門家が「ファストファッションは旬なトレンドアイテムを購入したい場合に最適です」とファストファッション礼賛しているのですが・・・!!「ZARAやH&Mなら、専門店のドレス1着分の予算で、華やかなドレスやアクセサリー、靴、バッグ…と全身そろえることができます」と書かれているのですが・・・!! ←時代はまだここなんでしょうか??(涙…) 高知新聞、これでいいんかい!?(←ふだんは高知新聞大好きです) 「裏の真実」を多少なりとも伝えていくのがメディアの役割なんじゃ!?

・・・というわけで、「ファストファッション」という言葉がまだまだ公然と肯定的に語られるらしいという現実に気づき、狼狽した昨日でした。(※ちなみにうちも、大人はもはやファストファッションには手を伸ばしませんが、子どもに請われて&必要に迫られてユニクロや無印良品で買い物することもいまだに稀にありますので、ユニクロで見かけても後ろ指ささないでくださいませ。)